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結審に当たっての原告意見 

東京地方裁判所民事第36部合議部御中

結審に当たっての原告意見

平成28年11月10日 

阿部 宣男


この2年と7か月裁判中心となった生活の日々が走馬灯のごとく思い出されます。

昭和55年4月入所、見次公園を皮切りにこども動物園、淡水魚水族館、温室植物園、ホタル館と物言わぬ動植物を相手に35年。だからこそ自分の仕事に対して責任の大きさを感じながら粛々と務めてきた自分が、なぜこのような立場で恩ある板橋区と争わなくてはならないかと、何度自問自答したかわかりません。
公務員は全体の奉仕者であるという言葉は退職するまで私の血に流れていました。

平成26年1月27日に一方的になされたホタル生態調査に名を借りたホタル虐殺行為から3日後,1月30日に突然の異動命令があり、3日ですべてを片付け引っ越しました。25年間積み重ねてきた仕事の場から突然引きはがされたのです。その頃、私一人ではどうにもならない力が私を押しつぶそうとしているのだと感じていました。
そして,懲戒免職という言葉を平成26年3月28日人事課長から電話で知らされました。また、懲戒免職辞令は自宅の新聞受けに投函されていました。
何が起こったのか訳が分からず理不尽な現実に、自分の気持ちを抑えることだけで精いっぱいだったことを思い出します。

裁判が始まり、日に日に心身に疲労がたまる中、辞令を受けた職場での様々な思い出が時折私を癒してくれました。
動物園のころには風に乗って逃げ出したフラミンゴを池袋駅前で格闘の末リックに詰め込み保護したものです。
温室植物園からホタル生態館への引っ越しは平成4年6月30日でした、3キロの道のりをリヤカーに荷物を乗せ4往復しました。その際友人が手伝ってくれました。これがホタル館での最初の仕事でした。ホタル館には語りつくせない思い出があります。
なかでも主たる仕事である25年もの間のホタルの飼育においては、いかにしてこの小さな命を守り繋いでいくかが常に私の頭を占めていました。茨城大学からその飼育の実績を認めていただき当時の石塚区長からも送り出されるようにして博士課程に入学し,そしてホタルに関する論文によって博士学位を取得し、その実績によって区長から褒状もいただくことができました。私という存在はいつの間にか100%ホタルによって支えられているようになったのです。
この仕事に対するこれまでの自分の行動と思い入れてきた気持ちに満足していますし,悔いる気持ちは一切ありません。

平成2年から平成25年まで「ホタル夜間特別公開」24回を世代交代でやり遂げ、ホタル館を訪れていただいた皆さんから「ここのホタルの光でとても癒される」と言っていただいたことは私にとっての何よりもの喜びでした。そして、各地へのホタル再生支援、クロマルハナバチの農業への展開を役所と一体となってなし得たことは,環境を大切にする自治体としての板橋区の名をあげた非常に大きなことだったと自負しています。
ただ、この裁判を通して、個人としての行動や考え方において小さいと思える意見の違いや些細な行動が大きな誤解となることの認識の甘さを感じたことも事実です。しかし、私は、これだけは申し上げておきたいのですが,絶対に区の意思に反して物事をすすめたことはありません。

今回人生の振り返りもでき、お世話になった多くの方々や、板橋区や警察から事情聴取を受けることになるなど、ご迷惑をかけた方々へ感謝の思いとこのような状態を回避できなかった不徳のなさも深く感じております。
今日の日を迎えつくづく思うことは、生涯の仕事場と思っていた職場である役所に一言のあいさつもできず去ることになってしまった自分の情けなさです。
私が生まれ、育った愛着ある板橋区は、決して私の敵ではありません

このような状況の中、裁判長、裁判官の先生はじめ、役割として参加している板橋区職員及び特別区の皆さん、私のためにたくさんの時間を使っていただいたことに心から感謝申し上げます。また、ホタル館を支えて下さった多くの関係者及びボランティアの方々にもこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。

最後に、今回の私のような精神的苦痛が職場の中で誰の身の上にも突然に起こらないよう、今回の裁判がその一助のなることを心より願っています。それがこの2年と7が月の私の人生を有意義に意味づける私の願いです。

以上
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